もしフードコートでパンとスープのセットに1000円近く支払い、スープが紙コップ、パンが紙の上に直置きされて出てきたら、怒り出す人もいそうなのに、「トラヤあんスタンド」だとそうはならない。
周囲で朝時間を過ごす女性たちは、にこやかな笑顔でおしゃべりに花を咲かせていました。
とらやの自信を盛り付けに見る朝
筆者自身、トレーを受け取った瞬間は正直なところ、切ないほど質素にも感じたのですが、席に着くころには紙コップにかぶせられたロゴがプリントされたボール紙のスリーブや、トレーの横に添えられた2匹の虎のイラスト入りの紙ナプキン、店内の洒落た内装の相乗効果で次第に納得。
一口食べれば、そのおいしさにねじふせられ、完全に納得することになりました。
「私のような庶民は、さすがにそこまでお呼びではないのかもナア……」と内心思いつつ、しかし、おいしさを考えるとたまには行きたいなとも感じる。そんなジレンマを胸に、ありがたがりながら、ペロリと秒速で食べ終わる。
とっておきを、ちょこっと食べる贅沢なモーニングに、これぞ「とらや」という、500年の歴史の重みを感じた朝なのでした。
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