幸楽苑と日高屋、なぜ明暗が分かれたのか

「290円ラーメン中止」の本質

幸楽苑はほとんどの店舗に駐車場がある。幸楽苑のホームページを調べると、駐車場なしの店舗は東京7、北海道、福島、茨城、千葉、埼玉、新潟の各1、直営501のうち計13のみだ。神奈川や大阪、兵庫など人口の多い府県の全店舗に駐車場があるのは、調べてみて驚いた。それだけ郊外への店舗展開が徹底してるといえる。一方のハイデイ日高は353店のうち、駐車場があるのは19店。それもすべて埼玉県の郊外だ。

2社の直近決算における貸借対照表を比較してみた。建物及び構築物(純額)は幸楽苑68億円、ハイデイ日高64億円と大差ないものの、土地は幸楽苑39億円、ハイデイ日高16億円と2倍以上の開きがある。つまり、ハイデイ日高のほうが「持たざる」効率経営を推進しているという側面も指摘できる。ちなみに直近決算期末の自己資本比率は幸楽苑38.2%、ハイデイ日高72.7%。財務の健全性でも差がある。

ハイデイ日高は都心部の店舗展開の強みを活かし、ちょい飲みを上手く取り込むことに成功したのだろう。都心部では電車やタクシーなどで移動する人が大半で、自家用車で移動する人が少ないから飲酒運転の心配もない。

そもそもメニュー表の打ち出し方にも2社の違いがある。

ちょい飲みを誘うメニュー表示

筆者は6月上旬の平日夕方、都心部のとある幸楽苑と日高屋をそれぞれ訪れてみた。日高屋ではちょい飲みを提案するように、おつまみのから揚げや枝豆などのメニューが目立つように記載されていた。一方、幸楽苑はおつまみメニューの表示が小さく、それもまとめて表示されていた。

幸楽苑がメニュー表でちょい飲みのおつまみについて意図的に表示を小さくしているかどうかは定かではないものの、筆者が2店を比べるかぎり、同じような時間帯でアルコールを注文しているのは、日高屋の来店客のほうが多かった。

幸楽苑が営業利益を上げるためには、売り上げを拡大するか、経費を削減するしかない。そのうち経費削減には限界がある。

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