これがアップル音楽配信サービスの全容だ! 8日の年次開発者会議で発表予定の「目玉」

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複数の関係者によると、アップルはライセンス契約をめぐってレコードレーベルや音楽出版社との交渉が難航している。新サービスの正式発表は内容が変更されるか延期される可能性もあるが、関係者は、アップルはこの手の交渉を何回も土壇場でまとめてきたとも語る。この件について、アップルも大手レコードレーベルもコメントを出していない。

音楽会社にとって争点は、定額聞き放題よりはるかに規模が大きいラジオ配信や、アーティストが無料でコンテンツをアップロードするプロモーション活動について、アップル側がいくら払うかという点だ。

アンドロイド端末でも利用可能に

定額サービスは月額10ドルで、広告付きの無料サービスはない見込みだ。最初の2、3カ月は無料の試用期間になるだろうと、関係者は語る。ソーシャルネットワーキングの機能も加わりそうだ。

「(アップルは)スポティファイに対抗するだけのサービスを立ち上げるつもりはない」と、大手レコードレーベルの幹部は語る。「彼らはあらゆる歌やダンス音楽の経験を提供しようとしている」。

アップルは音楽アプリのデザインを一新して、楽曲のダウンロードとストリーミング配信、ネットラジオを一カ所で楽しめるサービスを目指す。競合するアンドロイド端末でも利用できる計画だ。

ユーザーにとっては、これまで利用していた自分の音楽ライブラリーにもアクセスでき、新しい定額サービスという選択肢も増える。しかし音楽会社は、収入への影響を覚悟しなければならない。

ユーザーが定額サービスに切り替えれば、音楽会社の重要な収入源であるダウンロード販売の落ち込みは避けられない。業界団体の国際レコード産業連盟(IFPI)によると、ダウンロード販売の売り上げは、2014年は世界全体で前年から8%減少。一方で定額サービスの売り上げは39%増加している。

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