政争の続くタイで7月3日に総選挙実施--日本人駐在員やその家族の安全をいかに確保するか?
東洋ビジネスサービス(http://www.toyo.co.th)の梅木英徹代表取締役の話はより具体的。バンコクに拠点を構える同社は、日系進出企業の総合サポートを行う独立系企業で、タイ政府関係に太いパイプを持つ。
「ここは日本ではなくタイ。いずれの党派が勝利するにせよ、選挙後に何らかの抗議活動があると想定して、それに備えておくことが重要。まずは選挙に関連する情報を社内や家庭で共有すること。
日系企業のタイ側パートナーは日本人よりも詳細な情報を持っている。そこから聞いた内容を社員だけでなく、家族にも逐次伝える。次に、有事の際にはすぐに出国できるように、あらかじめ国外脱出ルートやパスポートの有効期限、子供の学校のスケジュールなどを確認しておくこと。一方で、日本の本社は、そうした有事の際に、タイから駐在員を速やかに迎え入れる準備をしておく。
政治的対立と経済活動は別モノで、日系企業が直接標的になることはないと思われるが、タイ進出を検討している企業は、選挙後の状況を見てから進出しても遅くない」
備えあれば憂いなし、在留邦人はこの言葉を忘れてはいけないようだ。
タイ貢献党のインラック候補(左)、民主党のアピシット首相(右)
(アジアジャーナリスト:倉田陽平)
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