1年で7割が入れ替わる「コンビニ」ヒット商品の裏 2024年のトレンドは?プロ直伝の商品棚の見方

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また、コンビニには、限定品やトレンドとは違い、ガムテープや紐、ヘアゴム、調味料など緊急用途として取り扱っている商品群もある。調味料やヘアゴムなどは一見地味だが、コンビニ内の生存競争から離れている存在だ。

「地味」な商品にはロングセラーが多く、コンビニで生き残っている商品を見つけるうえでは大事な棚といえるだろう。

「たとえば、ツナマヨのおにぎりは1日に平均20個以上売れる。お菓子やカップラーメンは種類が多いので1日1種類で1個程度。制汗スプレーなどは月に1個売れるか売れないか。そう思うと、カテゴリーの中で生き残れれば問題ない」(渡辺さん)

最近は、ガムの人気が落ち、グミ人気が高まったことより、グミがガム売り場まで拡大している。そういう意味で、カテゴリーとして売れなければいけないが、グミがおにぎりに勝つ必要はないわけだ。

1日1つ以下しか売れなくてもOK?

ただ、おにぎりほどでないにしても、1日に1つ以下しか売れなくても問題ないのだろうか?

「コンビニはとにかく店舗数が多い。各店舗で1つ売れるだけで、セブン-イレブンなら2万個の売り上げになる。圧倒的な数が強み。例えば、衣料品だと専門店のほうがもちろん強いが、靴下など単品に絞り込むとコンビニのほうが売れているだろう」(渡辺さん)

また、2024年により注目したいのは「冷凍食品(冷食)」だ。

「すでに増えてきているが、いまどきの冷凍食品は冷凍技術が高く、安くておいしい。しかも1〜2人用と便利。中食(弁当や惣菜など)はものによっては消費期限は1日。一方、冷凍食品は数カ月。

昨年、ローソンが冷凍おにぎりを実験販売したことも話題になったが、冷食だと食品ロスの問題もない。解凍までの手間はかかるが、これからキーになる」(渡辺さん)

今年も、新商品や限定商品が日々誕生するサイクルは変わらないだろう。その中で「地域密着」「地味」「冷凍食品」を見てみると、トレンドやロングセラー商品が見えてくる。

「セブン-イレブンは中食全般、ローソンはスイーツ、ファミマはアパレルと、それぞれ強みにしているジャンルはあるものの、各社全方位に頑張っている。

3社を見れば、コンビニの90%を網羅でき、日本のトレンドがわかる。1つのチェーンにこだわるよりも、3つしかないわけだから、自分の好きなカテゴリーを全部見比べてみる。自分の興味のないところをさらってみるのもおもしろい」と渡辺さん。

今年は、ふらっと立ち寄るだけでなく、トレンドウォッチャーの視点も取り入れてみると、毎日のコンビニ通いがより楽しくなりそうだ。

吉田 理栄子 ライター/エディター

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よしだ りえこ / Rieko Yoshida

1975年生まれ。徳島県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、旅行系出版社などを経て、情報誌編集長就任。産後半年で復職するも、ワークライフバランスに悩み、1年半の試行錯誤の末、2015年秋からフリーランスに転身。一般社団法人美人化計画理事。女性の健康、生き方、働き方などを中心に執筆中。

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