1年で7割が入れ替わる「コンビニ」ヒット商品の裏 2024年のトレンドは?プロ直伝の商品棚の見方

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実はコンビニの8〜9割が全国統一の商品。渡辺さん曰く、「全国からのニーズがないと、コンビニの店頭には残れない」のだ。

一般的に中規模のスーパーマーケットは、1店舗につき1万点〜1万5000点ほどの商品があるといわれている。そのため、売り場も広く、定番商品も多い。それに比べ、コンビニは売り場も狭く、商品点数も3000点程度と考えると、売れるものできっちり作り込んでいかなければならない。そうすると、必然的に商品の入れ替わりが速くなっていくのだ。

売れ筋は”限定品”

コンビニの売れ筋は、ジャンルを問わず限定商品だという。

「今はPOSシステム(販売時点情報管理)を通じてすべて数字で管理されている。発売から1〜2週間で、売れないものの判断がつく。どの商品も基本売り切りが前提。売れたら継続となる」(渡辺さん)

ただ、コンビニで販売している限定商品の多くは、季節のフルーツを使ったものなどシーズン性のある商品。販売数が決まっているため、売れすぎると予定より早く販売数に達し、多くの人の目に触れないまま販売終了を迎えるものも少なくない。

売れなくても消えるし、売れすぎても消えていく。なんと刹那的な商品が多いことか。一個人が「おいしかったからまた食べたい」「今後も販売してほしい」と思ってもそれが叶わない。

「いくら売れている店舗や一人が残してほしいと思っても、(先述したように)全国からのニーズではないと、生き残れない。また、コンビニは店舗数が多いので、原材料の確保のハードルが高い。

たとえば、(約1300店舗の)モスバーガーで和牛バーガーを作ることができても、コンビニでは店舗数が多すぎて和牛を全店舗分確保することは難しいということが起きる」(渡辺さん)と言う。

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