「紅白歌合戦」藤井風、Vaundyに続く今年のMVP予想 「3生紅白」を愛する音楽好きの視点から

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最後に、未発表の「特別企画」がまだ残り1~2枠あるとして、内容を予想しておきたい。当日まで発表がなくとも、2009年の矢沢永吉みたいにサプライズがあるかもしれないので要注意だ。実現すれば当然MVPの有力候補となる(繰り返すが、本稿は12月29日時点の情報によるもので、同時点で以下は未発表企画である)。

「特別企画」の内容を予想

【未発表企画予想1】朝ドラ『ブギウギ』コーナー

既定路線のように報道されている『ブギウギ』コーナーだが、公式からの発表はなく、また一部マスコミで、趣里の出場がないと報じられたが、簡単にはあきらめられない。ちょうど10年前、13年紅白での、あの抱腹絶倒&感動的な『あまちゃん』コーナーの再来を期待したい。

見ものは何といっても趣里の生歌だ。『ブギウギ』で見せた圧巻の『ラッパと娘』『大空の弟』を「3生」で見たい。伊藤蘭との母娘共演よりも、『ブギウギ』勢=伊原六花、翼和希との共演を期待する。

【未発表企画予想2】松任谷由実と桑田佳祐『Kissin' Christmas』

松任谷由実と桑田佳祐という18年紅白の劇的なトリのコンビ(=この10年間の紅白におけるMVP)による『Kissin' Christmas』が、11月27日から配信された。まるで紅白向けとでも考えられるようなタイミングだ。

もちろんクリスマスは終わっているのだが『Kissin' New Year's Eve』と替え歌することは可能だろう。その際は、歌詞「♪クリスマスだから言うわけじゃないけど」を「♪大みそかだから」と替えればいい。字数はぴったり。

その上、ユーミンには『A HAPPY NEW YEAR』という極上の年越しソングがある。『Kissin' New Year's Eve』とのメドレーが聴きたい。

【未発表企画予想3】中森明菜『北ウイング-CLASSIC-』

今年ついに中森明菜が『北ウイング』のリメイク新曲を発表した。『林哲司50周年記念トリビュートアルバム サウダージ』(11月8日発売)に収録されている。そして12月24日には公式YouTubeチャンネルを開設し、同曲の映像がアップされた。

実は、元日=2024年1月1日は、『北ウイング』の発売からちょうど40年となる日なのだ。特別企画として絶好のタイミングではないか(なお、同曲の音楽的魅力は拙著『中森明菜の音楽1982-1991』-辰巳出版-にたっぷりと書いたので参照されたい)。

と、後半は妄想が広がってしまったが、とにかく今年は、いや今年も、音楽の魔法がかかった紅白になることを心から望みたい。さぁ。今年のMVPは誰だ?

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スージー鈴木 評論家

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すーじー すずき / Suzie Suzuki

音楽評論家・野球評論家。歌謡曲からテレビドラマ、映画や野球など数多くのコンテンツをカバーする。著書に『イントロの法則80’s』(文藝春秋)、『サザンオールスターズ1978-1985』(新潮新書)、『1984年の歌謡曲』(イースト・プレス)、『1979年の歌謡曲』『【F】を3本の弦で弾くギター超カンタン奏法』(ともに彩流社)。連載は『週刊ベースボール』「水道橋博士のメルマ旬報」「Re:minder」、東京スポーツなど。

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