NY生まれ「DASSAI BLUE」は米国で成功できるか 85億円の投資。「現地の評価や専門家の声」は?

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とはいえ、アメリカでの日本酒マーケットが成熟していなければ、海外に独自の醸造所を作って酒を醸してもビジネスとしての継続は難しい。

現地の識者はどう見ているのだろうか。

「DASSAI BLUE SAKE BREWERY」のオープニングパーティーに参加していた、フロリダワインアカデミーの日本酒エデュケーター、ギレルメ・ドゥ・マルセド(Guilherme de Marcedo)氏に聞いてみたところ、アメリカの日本酒マーケットはアメリカの大都市で確実に成長をしていると話す。

アメリカでは日本酒の消費量は年々増加しています。最も市場が成熟しているのは、ニューヨークとカリフォルニア。続いてテキサスとフロリダでしょう」とマルセド氏。

さらに、「それらの都市のガストロノミックなレストランでは、日本酒と料理を一緒に楽しむのが新しいトレンドです。今やアジア系以外のレストランでも、ドリンクリストに日本酒を2~3種類入れています」と続ける。

また、日本酒はカクテルにもよく使われるとのこと。

近年は、日本酒に魅了されたアメリカ人たちが開業したクラフトSAKEのマイクロブルワリー(小規模醸造所)も増えてきており、2019年には、消費者と酒蔵の発展に焦点を当てた北米酒造協会が設立されたのだとか。

マルセド氏によると、北米酒造協会には現在20以上の酒蔵が加盟し、協会では良い地酒造りのために、それぞれの課題や成果を共有し、議論などを交わす場所となっているそうだ。

アメリカでは、なぜ獺祭が人気なのか?

山口県の旭酒造とまったく同様の設備を導入。9人体制でスタートした(写真:旭酒造提供)

アメリカの日本酒マーケットのなかでも「獺祭」は突出して認知度が高い

2022年のアメリカへの日本酒輸出総量15%を「獺祭」が占めている実績からも、その人気の高さがうかがえる。

マルセド氏は「獺祭はアメリカで早い段階から、最も良く知られたプレミアム日本酒です。すでにアメリカの主要都市にある最高の日本食レストランでは、必ずと言っていいほど取り扱われています。マーケティング戦略もうまい。こうした認識がすでにあるなかで、彼らが日本から持ち込んだ最高の設備を使い、最高の原料、最高の管理方法でSAKEを醸すわけですから『DASSAI BLUE SAKE BREWERY』は、成功するでしょう」と予測する。

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