NY生まれ「DASSAI BLUE」は米国で成功できるか 85億円の投資。「現地の評価や専門家の声」は?
もちろん、使う酒米は「獺祭」と同じく山田錦100%。
初年度の2023年は日本から輸入をした山田錦を使っているが、アーカンソー州の山田錦を生産している農家と契約をし、2024年の収穫からは現地の米も使う予定。
精米は敷地内の精米所で行われ、SAKE造りに使う水はハイドパークの良質な水。まさに今までになかった生粋のニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちのプレミアムSAKEである。
この記念すべき「DASSAI BLUE」は、思った以上に難産だったようだ。
旭酒造初となる海外での醸造は、さまざまな苦難があったと旭酒造・桜井博志会長は語る。
日本とまったく同じ醸造設備を作り、桜井会長をはじめベテランの職員たちで醸すも、なかなか納得のいく酒が作れない。
2023年5月から醸したSAKEも、第1号タンクから第7号タンクまではすべて不合格。第8号タンクでようやく合格点を出せるものに仕上がった。
苦戦した理由は、水や気候などの環境の大きな違いもあるが、新しいSAKE造りへの挑戦もあった。
現地で醸すのは、アルコール度数の低いSAKE
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「DASSAI BLUE」の大きな特徴は、そのアルコール度数にある。
通常、日本酒のアルコール度数は15〜16度であるが、「DASSAI BLUE」のアルコール度数は14度。同社の「獺祭」は16度なので、2度も低い。
食中酒として、アルコール度数・12度前後のワインが浸透しているアメリカでは、従来の日本酒のアルコール度数は合わせづらいと考え、14度に仕上がるよう醸造を工夫したのだ。
一口飲んでみると、非常に軽やかな口当たりに驚く。
旨みも感じるが、華やかでエレガントな香りが印象に残る。まさにワイングラスで飲むのがふさわしい新しいSAKEだ。
販売されるのはニューヨーク州のみ。販売開始から3カ月経った今、評判も良く、おおむね予想どおりの売れ行きだそうだ。
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