東芝が新体制で問われる「出資企業との距離感」 取締役は社長以外を総入れ替え、株主はJIPのみ
「光りかがやく東芝を取り戻したい」――。
東芝の島田太郎社長は、そう述べて満面の笑みを浮かべた。憑き物が落ちたようだった。
東芝は2023年12月20日付で上場廃止となり、同22日付で株式併合の効力が生じたことで、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が唯一の株主になった。その日の午前に臨時株主総会が開かれ、新体制がスタート。午後に続投となった島田社長がメディアの合同インタビューに答えた。
経営の舵取りを担う取締役の構成は上場廃止を機にがらりと変わった。非上場化を見届けた渡辺章博・取締役会議長やアクティビストファンド出身の取締役は全員退任。11人から7人に減った取締役には、JIPと東芝が非上場化する際に何らかの形で出資した企業の関係者が入った。
新体制の2つのポイント
非上場化後の新体制には大きくわけて2つのポイントがある。
まず1つは新たに副社長に就任した池谷光司氏を中心とした業務改善のためのプロジェクトチームの設置だ。池谷氏は三菱UFJ銀行出身。2023年6月まで三菱自動車のCFO(最高財務責任者)を務め、現在はJIPの副会長に就いている。
プロジェクトチームでは、組織のフラット化と経営指標の見える化に取り組むことになる。島田社長は、「われわれは階層のうえでフィルターにフィルターがかかった数字を見て(経営)判断をしている。徹底したプロセス改革を進める」と説明した。
プロジェクトチームのこうした動きは2つ目の施策、分社の再編・統合とも深く関係している。
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