東京タワーが観光スポットとして人気再燃の理由 積極的な仕掛けで来塔者はコロナ前水準超えも

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3階のタワーギャラリーでは創業者の「前田久吉展」が開催中(1月8日まで)。大阪で丁稚奉公からスタートした前田翁のメディア経営者・実業家・政治家としての一生をひもとく中で、戦争で失われた日本人の誇りと自信を取り戻すべく昭和30年代に進められた東京タワー建設への情熱をひしひしと感じ取ることができる。

展示コーナーのパネルにはこんな言葉が紹介されていた。

東京タワー構想
「どうせ作るなら世界一を。エッフェル塔を凌ぐものでなければ意味がない」

場内で放映されていたVTRでは、1958年3月に建設中のタワーを時の郵政大臣・田中角栄が視察に訪れたシーンも流れていた。戦後復興・高度成長期を象徴する光景だ。

東京タワーのチラシ(筆者撮影)

日本人にとっての心の原風景

時代とともに人々を魅了し続けてきた東京タワー。訪問者たちはその魅力をどう感じているのか、ネット上の声をいくつか拾ってみた。

「小学生の時以来2回目。後世に残したい建物」

「スカイツリーができても色あせない魅力ある建築物。日本の戦後からの復興や高度成長の象徴のような存在」

「本日限定のWBCイルミネーション(※2023年3月)に感動」

「田舎者の私にとって、求めていた東京がここにあります」

 高度成長の時代からそびえ続ける東京タワーは、日本の復興と成長・成功の象徴的建築物であり、日本人にとっては「心の原風景」となっているのではないだろうか。

さらに最新のエンタメやメガタウンの夜景を堪能できる空間であると同時に、昭和から令和への歴史を実感できる場所でもある。単なる観光名所を超えた奥深い魅力が、外国人も含めて年間200万人もの来塔者を引き寄せているのだろう。

2024年から東京タワー周辺の再開発が始まり、2030年前後に周辺一帯2万5000平方メートルが生まれ変わる。一体、どんな変貌を遂げるのか。周辺再開発と融合した新・東京タワーのさらなる進化を期待したい。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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