「いきなり!ステーキ」は深夜も非常識だった 深夜であっても高回転が続く理由

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深夜の六本木といえば、東京でもっとも外国人が多い土地柄だ。そんな街の特徴とも関係がある。

「アメリカやオーストラリア産の肉のほうがさっぱりしており、『いきなりステーキ』らしいとも言えるのですが、六本木では和牛の人気も高いですね」(川野さん)。

ステーキと言えば、欧米が本場というイメージが強い。しかし海外では、「WAGYU」というブランドの外国産牛肉がブームとなっていることからも分かるように、「和牛」の人気が高まっている。岩手キロサ牧場牛は霜降りでこってりした黒毛和牛で、いわゆる「高級和牛」とあっさりしたホルスタインのかけあわせである。「せっかく日本に来たのだから」という理由で、この肉を選ぶ外国人も多いのだそうだ。

深夜営業分で1日10万円の売り上げ増に

深夜営業を開始してまだ2週間といったところだが、お客からの評判もよく、売り上げアップにつながっている。川野さんも、「現在は1日平均にしてプラス10万円で、十分に採算がとれるところに来ています。目標はプラス20万円です」と、余裕の表情を見せる。

営業時間を延長するとなれば、当然、その分の光熱費や人件費も増加するが、六本木店ではそれを補って余りあるメリットが得られるようだ。単純に、時間を延ばすことで客が増えたということも理由としてあるだろう。しかし、もう一つの大きな要素が「回転率」である。

同チェーンのビジネスモデルを成功させている、重要なポイントの一つが客の回転率の高さだ。お客の滞在時間は平均して20〜30分ほどと、ファーストフード店や蕎麦屋に近い。

そして六本木店では、川野さんも「予想外」と驚いたことに、深夜営業を始めても客の回転率が昼間と変わらなかったのだという。

「朝方まで営業している店舗では通常、お客様が始発が始まるまで滞在されることが多いのです。しかし、ここではサッと食べて、別の店で飲んだり、終電後でもそのままタクシーで帰られるというケースが普通です」(川野さん)。

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