「使用する野菜の放射能は大丈夫なのか」--カゴメの株主総会で商品の安全性などへ活発な質問出る
カゴメは16日、名古屋国際会議場センチュリーホールで第67回株主総会を開催した。当日、会場に集まった株主は2009名と過去最高の人数(昨年は1557名)。2010年12月に三菱東京UFJ銀行が約222万株の売り出しを行って個人株主が約2万人増えたこと、さらに東日本大震災の被災影響などで32億円の特別損失を計上しており、株主の関心が高かったことなどが出席者大幅増の理由に上げられる。
午前10時にスタートした株主総会が終わったのは11時28分で、所用時間は88分(昨年は86分)。質問者数と質問数は9名16問だった(昨年は11名18問)。このうち、いくつかの質疑応答を以下に要約して紹介する。回答者はいずれも西秀訓社長。
--収量が減ったオーストラリアのトマト。今後大丈夫か。
オーストラリアは9月栽培、1~3月の収穫となるが、最大のリスクは夏場の干ばつだ。しかし、今年は水害により収量が3分の1になってしまった。ただしその分、貯水池の水量が増加しており、今後2~3年は干ばつの心配はない。
--使用する野菜の放射能問題は大丈夫か。
現在販売している野菜は、すべて3月11日以前に収穫した野菜なので安心してほしい。今年使用する日本国内産のトマトの使用量は1万4000トン(例年は2万トン)。第一段階として、このトマト自体の安全性を検査する。第二段階として製造設備や使用する水などの安全性を確認する。第三段階として、商品自体の安全確認を行う。こうした詳細な検査を行うために、5000万円もする検査装置を購入した。
--会場でもらったジュースがずいぶんと甘かった。甘味料を使っているのだとしたら、その理由を知りたい。
合成着色料も甘味料も使っていません。野菜本来の甘みですから、安心してお飲みください。
--日除けをするためのゴーヤカーテンというものが流行っている。トマトカーテンもいいのではないか。
ビルの屋上緑化などでは活用しているが、カゴメのトマトをご家庭で育てていただくようなことも考えていきたい。