「ゴミ屋敷に住むペット」のあまりに残酷な扱い 便や尿まみれで部屋の中で死んでいることも

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「いくらゴミ屋敷とはいえ、人間だけが住んでいる以上、便や尿でまみれるような状況にはならないです。どんなに部屋が散らかっていても1年以上風呂に入らないなんて人はいませんし、トイレも使ったら流すでしょう。でも、ペットは自分でできないじゃないですか。しつけがされていなければどこにでも排泄してしまうし、ペットシーツを自分で取り替えることなんてできません。部屋で亡くなっていた猫もそう。ペットは待つことしかできないんです」

なぜ飼い主がいながら、そんな状況に陥ってしまうのか。それには理由がある。

「途中で住めなくなって、別の場所に部屋を借りるんですよ。ゴミ屋敷になってしまった家にはペットだけが暮らしていて、飼い主は別の家に住んでいるというケースはいくつも見てきました」

モルモットを飼っているゴミ屋敷もあった(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
モルモットの糞が撒き散らされていた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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窓にハエがたかる、ペットのいるゴミ屋敷

あるゴミ屋敷の近くに住む住人からは、こんな依頼があった。

「ゴミ屋敷の窓に大量のハエがたかっている」

ゴミ屋敷連載
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そのゴミ屋敷の住人は近所の人たちが知る限り、猫と犬を計4匹飼っていた。しかし、犬と猫の姿を見ることもなければ、鳴き声も聞こえない。そして、臭いもかなりキツかった。

「僕らはどこまでいっても、あくまでゴミ屋敷清掃会社です。家主である本人から依頼がない限りは、勝手に部屋へ入ることなどできないんです」

ゴミ屋敷の中で4匹のペットがすでに亡くなっている可能性がある。もしかしたら、3匹が亡くなり、1匹だけかろうじて生きているかもしれない。しかし、外からはどうすることもできなかった。

國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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