「いくらゴミ屋敷とはいえ、人間だけが住んでいる以上、便や尿でまみれるような状況にはならないです。どんなに部屋が散らかっていても1年以上風呂に入らないなんて人はいませんし、トイレも使ったら流すでしょう。でも、ペットは自分でできないじゃないですか。しつけがされていなければどこにでも排泄してしまうし、ペットシーツを自分で取り替えることなんてできません。部屋で亡くなっていた猫もそう。ペットは待つことしかできないんです」
なぜ飼い主がいながら、そんな状況に陥ってしまうのか。それには理由がある。
「途中で住めなくなって、別の場所に部屋を借りるんですよ。ゴミ屋敷になってしまった家にはペットだけが暮らしていて、飼い主は別の家に住んでいるというケースはいくつも見てきました」
窓にハエがたかる、ペットのいるゴミ屋敷
あるゴミ屋敷の近くに住む住人からは、こんな依頼があった。
「ゴミ屋敷の窓に大量のハエがたかっている」
そのゴミ屋敷の住人は近所の人たちが知る限り、猫と犬を計4匹飼っていた。しかし、犬と猫の姿を見ることもなければ、鳴き声も聞こえない。そして、臭いもかなりキツかった。
「僕らはどこまでいっても、あくまでゴミ屋敷清掃会社です。家主である本人から依頼がない限りは、勝手に部屋へ入ることなどできないんです」
ゴミ屋敷の中で4匹のペットがすでに亡くなっている可能性がある。もしかしたら、3匹が亡くなり、1匹だけかろうじて生きているかもしれない。しかし、外からはどうすることもできなかった。
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