「僕らは毎日(月に約130軒)いろんな現場に行っていますが、ペットがいるゴミ屋敷に直面する機会は本当に多いです。自分が生活できない状態に陥ってまでペットを飼い続けるというのは、愛情でも何でもないと思うんですよ。相手はお客さまとはいえ、そういう人には腹が立ちますし、強い憤りを覚えます」
4LDKの広い一軒家に住む女性からの依頼を受けたときのことだ。家の中はゴミこそ少ないものの、大量のモノで埋め尽くされていた。女性は片付けを開始する際、二見氏にこう言った。
「家のどこかで猫が2匹死んでいるかもしれないです」
女性は「猫を保護する活動をしている」と話した。8匹の猫を部屋の中で保護していたが、6匹しか見当たらないのだという。結局、2匹の猫は出てこなかった。
玄関から糞尿にまみれたゴールデンレトリーバー2匹が…
劣悪すぎる環境から、その場にいることすらできない現場もあった。40代の女性が一人で暮らすマンションへ見積もりに行くと、エントランスの時点で強い刺激臭が鼻を襲った。女性が住む3階に近づくにつれ、臭いはどんどん増していく。
「ドアを開けた瞬間、2匹のゴールデンレトリーバーが“ワンワンワン!”と吠えながら飛び出してきました。部屋の中は犬の糞と尿まみれで、土足で入るのもしんどいくらい汚れていました。そして、目がしみるんです。目を開けていられないくらい痛かったです」
部屋の中にはケージもなく、犬は放し飼いにされていた。見積もり中も犬たちは二見氏に何度も飛びかかり、しつけもほとんどされていない様子だったという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら