県駅を出てからも田んぼの中を走り、町の中に入ったと思ったら早々に福居駅に着く。かつての日光例幣使街道八木宿に近い、昔ながらの市街地の中の駅だ。
「駅前にはトチセンという会社の工場がありまして、これが立派な煉瓦造りで。その壁面に模様があるのですが、なんでも戦時中に空襲の的にならないように迷彩塗装をしたからだそうです。それを戦後もそのまま残しているんですね。なかなか立派なので見物ですよ」(宮田駅長)
駅前の工場に「迷彩塗装」が残る
その言葉通り、煉瓦造りの工場には独特な迷彩塗装。戦争が終わっても消したりせずにそのまま使い、それがいまとなっては立派な遺産になっている。駅の中に目をやれば、実態としては2面2線ではありながら、かつては2面3線だったのであろうことが一目でわかる。
さらに周囲を見渡せば、もっと大きな敷地を有していたことが一目瞭然。駅前の工場からの貨物積み込みなどもあったのだろうか。小さいながらも駅前旅館があるあたり、足利の市街地に次ぐ“町”がこの一帯にあったことはまちがいない。
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