下り列車の場合、埼玉県の東武動物公園で東武スカイツリーラインと呼ばれる区間を終えて久喜に到着。さらに羽生から利根川を渡ると埼玉県から群馬県に入る。館林駅は佐野線・小泉線を分けるターミナル。伊勢崎線は太田・伊勢崎といった群馬県の都市を抱えているから、そのまま最後まで群馬県内を走る……と思いきや、いったん栃木県を経由する。
つまり、埼玉→群馬→栃木→群馬と、両毛地域を股にかけて群馬と栃木を行ったり来たり。だいたい県境を跨ぐと人の動きは少なくなるものだ。だから伊勢崎線もいろいろ不都合がありそうなものだが、実際にはそんなことはない。県境など関係なく結び付きの強固な両毛地域を走る路線だからこそ。これが、東武伊勢崎線の個性の1つといっていい。
栃木県内の伊勢崎線
今回は、そんな行ったり来たりの伊勢崎線のうち、栃木県内が旅の目的地だ。栃木県内の東武伊勢崎線は、その全区間で足利市内を走る。管理しているのは、足利のターミナルである足利市駅の駅長を務める、宮田和広館林駅管区副管区長である。
「足利は、歴史と伝統のある街ですし、あしかがフラワーパークという観光地もあり、観光で訪れるお客さまも多い。だからなのか、独特の自立性、気構えみたいなものを感じますね。足利は足利だぞ、といったような。……などと言っても、私もこの秋に足利市駅に来たばかり。ご案内できるかどうか、心許ないところもあるのですが……」(宮田駅長)
などと言いつつも、忙しい勤務の合間を縫って足利市内の定食屋やラーメン店を巡るなど、地域に入り込むことに余念のない宮田駅長。さっそく足利市駅について聞いてみると……。
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