2023年は、家康さんの年だ。と、別にここで大河ドラマについてうんぬんするつもりはなくて、どうせなら家康さんにちなんだ場所に行ってみよう、というお話である。やってきたのは群馬県。東武伊勢崎線の「先のほう」、太田―伊勢崎間を訪れた。
え、東武伊勢崎線と家康さん、いったいどんな関係が……。実は、この沿線を根拠地としていた中世の武家・世良田氏が徳川氏の祖とされていて、一時期得川と名乗っていたこともあったとかで、家康さんは松平から徳川家康と名を改めたという。実際のところよくわからない。
ただ、間違いないのは伊勢崎線世良田駅の駅前に「徳川氏発祥の地」という小さな碑が建っていて、駅から少し歩くが家康さんを祀る世良田東照宮があり、まさにそのままの“徳川”という地名もある、ということだ。
「徳川氏発祥の地」最寄り駅は…
などと言いながらやってきた、くだんの世良田駅。確かに碑は建っているが、駅舎は小さく駅員さんもいない無人駅。駅舎の反対側に大きな工場があるほかは駅の周りに一面の畑が広がるばかりだ。発祥の地といっても、なんだか、その……。
「そうですねえ……世良田駅はだいぶ昔から無人駅ですし。北側に工場があって南側は畑、そういう場所の駅ですね」
東武鉄道太田駅管区長の小此木隆利さんも、こうつぶやく。
「実はですね、この伊勢崎線沿線、東毛地区というんですが、一帯は畑作が盛んでして。田んぼもありますが畑が多くて、モロヘイヤ、ほうれん草、大和芋などを作っています。モロヘイヤは群馬県が全国でもいちばんの出荷量らしいですよ」(小此木さん)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら