新幹線開業の恩恵あった?長崎県ご当地鉄道事情 日本鉄道史に深い縁、歴史あるローカル線も

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松浦鉄道
伊万里湾を望む松浦鉄道。1988年に第三セクターに転換された路線だ(撮影:鼠入昌史)
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なんでも、長崎県の島の数は日本でいちばん多いという。有名どころでは対馬、壱岐、そして朝ドラの舞台にもなった五島列島。その数は971にのぼり、国内ナンバーワンというわけだ。

よくよく考えると、すべて島から構成されているのが日本という国なのだから、島の数が多いとか少ないとかはあまりたいした問題でもないような気がするが、いずれにしても長崎は島国オブ島国、実に日本らしい県といってもよいのではないかと思う。

まずは“長崎本線”

そうした事情があるからか、朝鮮半島や大陸との距離の近さが関係しているのか、長崎という県は日本の歴史の中でなかなか特殊な存在であり続けてきた。何より、江戸時代においては長崎の出島だけが西洋に開かれた地。異国文化は、おしなべて長崎を経て国内に入ってきた。もしかすると、鉄道という産業革命の産物の登場の情報も、いち早く江戸時代の長崎にもたらされていたのかもしれない。

そうしたわけで、長崎県の鉄道の旅である。長崎県は、島だらけだから……というわけでもないだろうが、簡単にいえばどん突きの県だ。沖縄県を除けば本土最西端に位置する県で、そこから先は海。なので、鉄道で長崎県に入る手段はそれほど多くない。

その筆頭は、なんといっても長崎本線である。九州における鉄道創業を担った九州鉄道の手によって、1897年までに長崎に達している。以来、長崎本線は九州最大の都市である福岡と異文化の風が吹く長崎を結ぶ大動脈として活躍を続けてきた。

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