新幹線開業の恩恵あった?長崎県ご当地鉄道事情 日本鉄道史に深い縁、歴史あるローカル線も

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市布ルートと長与ルートは浦上駅の手前で合流し、そこからはもうまったくの長崎の市街地。長崎港に飛び出るその手前で線路は終点を迎え、長崎市街地の旅は市内を駆け巡る路面電車、長崎電気軌道に引き継がれる。

長崎電気軌道
長崎の路面電車、長崎電気軌道。写真は浜町アーケード電停近く。市内でいちばんの繁華街だ(撮影:鼠入昌史)

長崎電気軌道の路面電車は、長崎本線西浦上駅にほど近い赤迫駅から長崎本線沿いを長崎駅前まで、そこから先は2方向に分かれて中華街や浜町のアーケード街、めがね橋などの中心市街地に向かう。1915年に開業し、原爆の惨禍にも負けずに走り続けてきた長崎の町のシンボルである。

新幹線がやってきた

これで長崎の鉄道の旅は一段落……といきたいところだが、さすがにそうはいかない。第一、ここまでの長崎本線の旅は、2022年9月以前のお話である。そう、西九州新幹線が開業し、長崎にやってくる鉄道路線の主役は長崎本線から移ってしまった。

博多―鳥栖―佐賀―武雄温泉間は鹿児島本線・長崎本線・佐世保線経由の「リレーかもめ」。武雄温泉駅から西九州新幹線「かもめ」に乗り継ぐ。博多―長崎間の所要時間は従来の長崎本線特急「かもめ」時代と比べて30分短縮され、いまでは1時間20分で結ばれるようになった。西九州新幹線が長崎県に入るのは、嬉野温泉―新大村駅間である。

西九州新幹線
2022年9月に開業したばかりの西九州新幹線。車窓から大村湾を望める区間も(撮影:鼠入昌史)
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