新幹線開業の恩恵あった?長崎県ご当地鉄道事情 日本鉄道史に深い縁、歴史あるローカル線も

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長崎県に入った西九州新幹線は、おおざっぱにいえば大村線(つまり遠い昔の長崎本線である)に並行して走る。

大村線
大村湾沿いを走る大村線。ハイブリッド気動車のYC1系が活躍する(撮影:鼠入昌史)

大村線は早岐―諫早間を大村湾を見ながら走るローカル線。佐世保駅に乗り入れている佐世保線とあわせて長崎と佐世保という長崎県の二大都市を結ぶ役割も持ち、快速「シーサイドライナー」が走る。

所要時間はおおむね2時間とちょっと長めだが、ほとんどの区間で大村湾を望める絶景車窓は一級品。ハウステンボスという九州を代表するテーマパークも沿線に抱え、佐世保線経由の特急「ハウステンボス」は大村線のハウステンボス駅を終点としている。いまでは西九州新幹線開業と同時にデビューした観光列車「ふたつ星4047」も走っている。

走り続ける在来線特急

大村線の起点の早岐駅は、佐世保線にとってのスイッチバック駅という一面も持つ。武雄温泉・有田方面からやってきた佐世保線は、早岐駅で方向を変えて軍港都市・佐世保駅へ。博多―佐世保間は新幹線の風にも負けずに、特急「みどり」が走り続けている。

佐世保線の特急「みどり」
佐世保線特急「みどり」。奥には「ハウステンボス」も連結している(撮影:鼠入昌史)

そして佐世保駅からは北松浦半島をぐるりと回る第三セクター路線、松浦鉄道西九州線が延びる。かつては国鉄・JR松浦線といい、1988年に第三セクターに転換された。

佐世保駅から北へ、本土最西端の駅であるたびら平戸口や松浦市内の各駅を経て佐賀県に入り、伊万里・有田まで。佐世保線と合わせれば北松浦半島環状線になっている。車窓から海が見える区間は少ないが、北側の松浦市内では伊万里湾に浮かぶ飛島や鷹島を望むこともできる。

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