カプコン、「ヒット作の不在」に打つ手はあるか

辻本春弘社長に今後の戦略を聞く

――スマホゲームで収益を上げるよりも、マーケティングツールという位置づけになる?

つじもと・はるひろ●1964年生まれ。87年にカプコン入社。97年に取締役就任。常務、専務、副社長を経て2007年から社長兼COO(最高執行責任者)。創業者で会長兼CEO(最高経営責任者)を務める辻本憲三氏(74)の長男。

スマホゲームやソーシャルゲームの課金者比率は、全体の10~15%と言われる。大半のユーザーが無料で遊ぶ中で、本格的に遊びたい人にどうやって課金してもらえるのか。

仮に85~90%の人がスマホゲームを無料で遊んでいても、「ゲームをやるならゲーム専用機の方がいい」と思う人が出てくるかもしれない。

そう考えると、われわれのマルチプラットフォームの強さが生かせると思う。スマホゲームだけで稼ぐわけではなく、ゲーム専用機がいいとなれば、「モンハン」や「戦国BASARA」「逆転裁判」などに触れてもらえる可能性も出てくる。ゲーム専用機向けのソフトは価格設定が柔軟になってきており、廉価版や過去の作品を安くすれば、買う動きも出ている。

競争は激化するほうが望ましい

――ゲーム業界の動向をどう見ているのか。

昨年、任天堂さんに伺った際、デジタル配信やフリーミアムモデル(無料で提供してから課金するモデル)もやるようだったので、「スマホベースのゲーム専業会社と提携も考えたらどうですか」と話したことがある。

一方、スマホゲーム会社の経営者には、「ゲーム専用機へ進出してこないのはもったいない」といつも言っている。当社のような家庭用ゲームソフトを開発する会社がスマホゲームに参入している中、スマホゲーム会社が「ゲーム専用機の開発はできません」とするのはどうかと思う。

――しかし、ゲーム専用機の市場は参入のハードルが高いのでは?

みんながスマホゲーム側へ行くと”混んでくる”。一方、ゲーム専用機向けの開発をすれば、技術的にも色々な経験ができる。スマホゲームやソーシャルゲームの方々に来てもらえれば市場も活性化するし、競争がもっと激化するほうが望ましい。

――ゲーム専用機はコアユーザー向けになっており、市場の成長は厳しいように見える。

自動車に例えると、エントリーユーザーには安い車が必要だが、そこから徐々に興味を持ってもらい、市場を作っていくという企業の使命がある。

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