崖っぷちサマンサ「平成人気ブランド」3つの転機 客数減が続き「8期連続赤字」で経営は火の車

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米田社長の主導で現在、サマンサの「リボーン計画」が進められている。商品から店舗・ネット通販といったフロント部分から、生産・物流などの裏側に至るまで全面的に見直し、最適化を図る狙いがある。

たとえば組織・業務改革では、ブランド横断で商品を開発する体制に見直した。「サマンサタバサ」というブランドの“聖域”にメスを入れ、ブランドごとのコンセプトやターゲット層、価格帯などの再定義を行い、重複部分の投資を減らしている。物流拠点も5拠点から1拠点に集約するなど、業務効率化を徹底する。

これにより従来のブランド別出店から、サマンサのブランドをひとまとめにした店舗開発にも注力している。女性向けのサマンサタバサと、男性向けブランド「KINGZ(キングズ)」も集結させて、幅広い層の集客を狙う。

修正計画の達成に必要なこと

今2024年2月期はブランドを横断させた10店程度の出店を進めながら、不採算店の整理も進めていく。これにより2024年2月末は232店舗(前期比38減)となる見通しだ。

サマンサの復活に向けて焦点となるのが、やはり売上高の確保だ。肝煎りのブランド横断店は順調な滑り出しながら、出店先である商業施設の特性に合わせた商品構成を模索中。ファミリーや20代前後の若年層が多く訪れるショッピングセンター店舗では「サマンサベガ」「サマンサタバサプチチョイス」の需要が高いが、年齢層が高い百貨店内の店舗では高単価の革製品の引き合いが強いという。

サマンサは長年の構造不況から脱し、再び輝きを取り戻すことができるのか。経営陣の手腕と覚悟が問われている。

山﨑 理子 東洋経済 記者

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やまざき りこ / Riko Yamazaki

埼玉県出身。大学では中国語を専攻、在学中に国立台湾師範大学に留学。2021年東洋経済新報社に入社し、現在小売り・アパレルを担当。趣味はテレビドラマのロケ地巡りなど。

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