一流の「ビール売り子」が体現する商売の鉄則 AKB総選挙に通じるファンとの関係
トップクラスの成績を誇る一流のビール売り子へのヒアリングから、いくつかのことがわかってきた。「売れっ子」を左右する要素。それは「常連客=リピーターがどれだけついているか」にある。新人からある程度の経験を積んだベテランまで、平均的な売り子が、1日に売るビールの杯数のうち、リピーターの比率は2割前後だという。
ところがトップクラスになると、その割合が約4割にも上るそうだ。複数の売れっ子に聞いてみたが「常連客に支えられている」と口をそろえた。
常連客を見つけ、次の1杯のタイミングも逃さない!
新人の頃は当然、常連客はおらず、徐々に開拓していかなくてはならない。たとえば、その日に初めて売った新規客の2杯目、3杯目をリピーターとして獲得する場合はある。久しぶりに野球場に来て、ビールを何回も注文する人のことだ。その日に何杯も飲んでくれるお客は確かに重要だ。
しかし、最も押さえておくべき常連客は「よく球場に来て、かつ自分をひいきして頂けるお客さまですね」と、あるトップ売り子は明かす。
そんなトップ売り子の動きを観察してみた。まずは、常連客を見つけ、まず1杯目を買ってもらう。そして、ビールがなくなりそうなタイミングになると、観戦を邪魔しないようにさりげなく常連客のところへ向かう。試合展開によって盛り上がったら、そのキッカケ(チャンス)を逃さずに回る、その際に同じ応援仲間や周囲のお客にも買ってもらえるように動く。
つまり、人気の売り子は、「固定ファン」に支えられた安定収益が強みになるワケだ。
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