熊本県の調査で判明・TSMCは環境保護の優等生 台湾半導体産業が持つ環境保護供給網の実力

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また、台湾内の半導体産業は環境保護を重視していることも示しており、競争力の源の一つとなっていることを証明した。

水質検査1つを取っても、熊本県側は新竹サイエンスパークと中部サイエンスパークの排水処理場やポイント、周辺の地下水や河川などでモニタリングを実施した。地下水や河川についてはさらに排水口から各距離でモニタリングし、大多数の項目で日本の排水基準の範囲内、重金属汚染が発生していないと結論付けている。

廃水処理技術と半導体製造が同時に進化

今回の報告を受け、台湾内で長らく半導体用水濾過の分野で30年以上の実績を有する旭然国際の何宜瑾総経理は、感慨深く次のように語った。

「半導体製造が始まった頃、工場はおそらく直接廃水を流していたでしょう。その後、工場は工業団地に移転するようになり、地域が定める規定に則って処理するようになりました。廃水が地域の地下汚水施設に入る前に、必ずもうワンステップ処理するプロセスが増えました」

半導体産業全体が環境保護について重視するようになった時期について、多くの事業者は、「TSMCのビジネスがどんどん大きくなって、鴻海精密がアップルの受託製造を始めた頃」と声を揃える。

国際的な企業が委託先企業に法令順守を求めるようになったからだ。基準に達しない項目は改善を要求され、業界の環境保護意識は急速に高まったのである。

半導体製造企業が「水」への意識が高めると、環境保護に携わる企業は一連の難問にぶつかることになる。廃水処理を例に言えば、半導体製造の進化と共に、廃棄物の種類や量が増加し、処理の難易度も高まるようになったのだ。

「有機溶剤の処理費用は、近年、毎年3%から5%のペースで上がっている」。こう語るのは化学廃液回収を専門とする信絋科技の簡士堡董事長だ。

また、処理の難易度についても次のように語った。

「半導体の微細化が進むことは、ウェハーの洗浄も複雑になることを意味します。新たな薬剤が開発されたり、新たな洗浄プロセスが増えたりするのです。また、伝達率向上のために新材料もどんどん導入されます。廃棄物の種類や数量が増加し、処理の難易度がさらに高まるのです」

種類や数量に合わせて、廃液はさまざまなプロセスを経て処理される。それに輪をかけて新たな化学物質が処理を難しくさせる。

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