熊本県の調査で判明・TSMCは環境保護の優等生 台湾半導体産業が持つ環境保護供給網の実力

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半導体製造技術が毎回ブレイクスルーするたびに、さまざまな希少元素が加えられてきた。さまざまな化学物質が混ざり合った廃液は、それらを受け入れられる材質のパイプを開発する必要もあるのだ。

何宜瑾総経理は次のように語る。

「半導体製造では、化学元素表でよく見かける元素が減り、希少とされる元素がどんどん増えています。処理のハードルがどんどん上がっていくのが想像できます」

ウェハー製造が10ナノから7ナノに変わった頃にも大きな変化があった。

2017年5月、アメリカのアプライド マテリアルズ社が半導体の導電性を高め、かつロスを少なくすることを目的に、10ナノ以下の半導体で材料にコバルトを導入することを発表。新材料の登場はすぐに新たな環境保護の要求につながったのだ。

例えばTSMCでは2018年のサステナビリティレポートで次のように記している。

〈製造プロセスの変更に伴い、コバルトを次世代配線材料に据え、高濃度コバルト廃水と研磨によって生じるコバルト廃水の分散処理システムを新たに構築〉

また、翌年には、「先進的製造プロセスにおける廃水のコバルト完全リサイクルについて」と題した内部研究報告ではより明確に、電気メッキプロセスと洗浄プロセスを含む製造工程でコバルトを含む廃液が生まれるため、コバルト処理の重要性と緊急性を示している。

2019年8月には、「TSMC新竹サイエンスパーク工場ではコバルトの完全リサイクルを確立、完全リサイクルによって生み出される利益についても言及している。

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半導体製造装置企業で、長年化学廃液リサイクルにも参入してきた朋億の馬蔚総経理は、近年は製造企業側で環境設備のROIや投資回収時期などについてはあまり気にしていないという。

「5年前までは多くの顧客でリサイクルのROIを語っていました。しかし、今では投資期間を長めに設定する顧客が多いです。脱炭素など新しいコストを加味しなければならないからです」

TSMCなどの環境保護への取り組みを支える企業にとって、乗り越えるべきハードルがどんどん高くなっている。しかし、多くのビジネスチャンスを見出しているのも事実だ。

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