旧ジャニーズ「新社名」、末尾に"O"がつく深い理由 「STARTO ENTERTAINMENT」の名前に見える4つの論点

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他にもある、社名の意義

新会社は、これまでジャニーズ事務所が行ってきた事業に加えて、以下のような「3つの新しいことに挑戦する」と表明している。

・DX化:独自の音楽配信サービスを立ち上げる
・グローバル展開:米国、韓国等、世界展開
・メタバース市場参入:最先端技術でアーティストの才能を拡張

「新しい事業を行う」という意味で、「START」という言葉を社名に含ませたと見ることもできるだろう。

さらに、2つ目の「グローバル展開」というところにも注目したい。

海外でも同じ社名を使用する場合は、やはり海外でも受容性が高く、流通しやすい名称を考える必要がある。近年、企業名に限らず、和名ではなく、横文字の名前が使われることが多いが、グローバル展開を考えると、必然的であると言える。

今年においても、日本の鉄鋼メーカー「日立金属株式会社」が、「株式会社プロテリアル」に社名変更している。

英語でも「STAR」は日本語の「スター」と同様の意味がある。「TO」は日本語の「と」と同じような解釈はされないだろうが、「to」は、「~の方向に向かう」、「~する」という意味があるから、外国人にも違和感なく受け入れられそうである

5カ国語で表記された新会社の社名(画像:「STARTO ENTERTAINMENT」のサイトより)

「STARTO ENTERTAINMENT」という名前が、日本、あるいは世界で受け入れられるようになるのは、会社の中身がしっかり固められ、事業が順調に滑り出して以降のことになる。

発表された社名が最適かどうかはさておき、少なくとも「中身」がしっかりできた際には、それを表現する「顔」として機能するに足る社名ではないかと、筆者は考えている。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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