「バス運転士不足で鉄道が重要に」有識者が指摘 北海道新幹線「並行在来線」廃止は再検討が必要

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余市駅エルラプラザで開かれた余市町議会議長、余市観光協会会長らとの勉強会に参加した宇都宮浄人教授(筆者撮影)

バスは鉄道の代替交通として成り立たない

2022年3月に廃止の方針が決定された北海道新幹線「並行在来線」の長万部―小樽間について、深刻化するバスドライバー不足を背景としてバス転換協議が中断に追い込まれた。バスドライバー不足は地方だけの問題ではなく都市部でも深刻化しており、2023年9月になり大阪府富田林市などの4市町村で路線バスを運行する金剛自動車は、突如として路線バス全路線の12月20日での廃止を発表。地域社会に混乱を与えている。

すでにバスは鉄道の代替交通として成り立たない時代に突入していると言っても過言ではない状況だ。最近では石川県金沢市などを走る北陸鉄道石川線が赤字のため存廃協議を行っていたが、「バス転換が難しい」として公費投入による存続が決定した。これまでのケースでは鉄道を廃止・バス転換したところで、鉄道旅客の大半はバスではなく自家用車に流れ、鉄道転換バスの乗客は鉄道時代の半分以下に落ち込み道路事情を悪化させたところも多い。こうした時代において、赤字の地方鉄道は今後、どのように再評価されるべきなのか、関西大学の宇都宮浄人教授に話を聞いた。

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