東急・堀江社長、田園都市線Qシート「いつかは」 新横浜線から渋谷戦略まで直撃インタビュー

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――コロナ禍前の渋谷は、夜の観光や娯楽を楽しんでもらうナイトタイムエコノミーという施策を打ち出し、飲食店の深夜営業や終電の延長などが検討されていました。コロナ禍でこの動きが止まりましたが、復活する可能性は?

我々はエンターテインメントシティ渋谷というビジョンを掲げているので昼のエンタメだけでなく、夜のエンタメも充実させたい。渋谷の飲食店は遅くまで開いているが、たとえばハワイでは飲食店だけでなく毎晩ホテルのホールルームでいろんなショーをやっていたり、ワイキキの通りに面したリテールが遅くまで営業したりしている。渋谷も夜をもっと充実させるべき。

――新宿の歌舞伎町タワーは深夜も営業しています。

地下にあるライブハウスは深夜になるとナイトエンターテインメント施設として営業する。毎日ではなく基本的に土、日を含んだ週末が中心だが朝までやっている。

24時間運行の可能性は?

――渋谷にも朝まで遊べる施設があるといいです。

東急歌舞伎町タワー
新宿にオープンした東急歌舞伎町タワー(写真:ユウスケ/PIXTA)

夜間のお客様が増えてくれば、事業者さんも徐々にそういう営業体制を取っていくと思う。ただ、課題はやはり人手不足。

――以前ナイトタイムエコノミーの推進が検討されていたときは、深夜営業後を終えた従業員が帰宅しようにも終電がないという問題がネックになっていました。ニューヨーク地下鉄のような24時間運行の可能性は?

24時間運行すると今度はメンテナンスの時間が足りなくなる。かなり無理をしたメンテナンスをすることになるのでそれがコストに跳ね返ってくる。あるいはロンドンの地下鉄のように「この日とこの日は運行を休みます」とできれば話は別だが、それでは利便性を損なう。

また、鉄道だけ深夜運行して、たとえば深夜2時に自宅の最寄り駅に着いたとしてもそこから先の2次交通をどうするかという問題もある。そう考えるとあまり現実的ではない。渋谷でナイトタイムエコノミーという場合は、渋谷に泊まっていただいている観光客、訪問客が対象。必ずしも鉄道やバスの運行とリンクする必要はない。

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