熊本菊陽町、経済効果6.8兆円で激変の飛躍と懸念 地価高騰も、人口急増でインフラがパンク
従業員や駐在員、その家族の受け入れ態勢はどうなっているのか。TSMC進出では台湾から従業員と家族750人が赴任するといわれ、この夏以降、来日が本格化している。
菊陽町の外国人人口は今年1月末は533人だったが、11月末には907人と7割も増加している。このため同町は外国人相談窓口を開設。毎週火曜日、木曜日は窓口に中国語、英語の通訳が、月・水・金は英語の通訳が常駐し、タブレットやスマホで多言語通訳サービスを行っている。
教育関連では9月にTSMC駐在員の子どもたちが熊本市内の熊本インターナショナルスクールに通い始めた。同校ではTSMC進出にあたり台湾人の教員を4人採用したという。
外国人の受け入れ態勢は十分か?
さらに九州ルーテル学院がインターナショナルスクールの小学部を来春開校するほか、県の教育委員会が菊陽町の小中学校それぞれ1校を拠点校に指定し、日本語指導員、教育支援員等を配置するなど、受け入れ態勢を整えている。
台湾から赴任する従業員の子どもは130人になるとみられているが、第2工場建設が進めば、さらに増えていく可能性がある。小中学生だけでなく、小学校入学前の未就学児の受け入れは万全なのか。電子デバイス業界では、アジア系だけでなく世界各国のエンジニアを採用する動きが増えてきているだけに、国際化への対応はますます広範囲となっていきそうだ。
「シリコンアイランド九州」への期待感は膨らむ一方だが、環境面や、他産業従事者への影響にも目を配っていく必要がある。半導体特需がいつまで続くのか。今後の国際情勢、経済状況の変化による事業全体への影響はないのか。過熱しているときだけに、なおさら冷静な分析と洞察が必要ではないだろうか。
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