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「退職した社員」の顔写真掲載は法律上許されるか? 企業のソーシャルメディア活用に潜む落とし穴

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  • 北田 明子 広報・PR、危機管理広報アドバイザー
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例えば、こういうことが起こり得ます。

企業が採用ホームページを使って人材の募集をするのは、企業の大小を問わず、広く行われている手法です。そこに現職の社員が顔写真入りで登場し、自分の職場の魅力について語る、というのも当たり前の手法になっています。写真のキャプションに本人の氏名、入社年、所属部署名などが明記されることも普通です。

ところが、ある会社では、情報が公開されてから間もなく、ホームページに登場した若手社員が退職する、という事態が起こりました。その社員は、「採用ホームページに掲載している私の写真とコメントを削除してほしい」と申し出てきたのです。

このケース、企業はどのように対応するのが正しいのでしょうか。

肖像権侵害のリスク

弁護士の見解は「肖像権侵害のおそれがある」というものです。

「肖像権」とは、裁判所が解釈によって導き出した人格的権利の1つであり、「私生活上の自由の1つとして、何人も承諾なしに、みだりにその容貌・姿態を撮影されない自由」「自己の容貌等を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益」などと定義されます。

人には「写真を撮影されない/公表されない自由」があるわけですから、この事例のように、写真の公表を望まない人がいる場合には、写真を削除するのが原則になります。実際に肖像権が問題となった事案において裁判所は、「侵害行為の差し止めを求めることができる」と判示しました。この事例で言えば、元社員からの請求があれば、会社は許諾のない写真の掲載を終了せざるを得ないでしょう。

法律上保護されるべき他者の権利を侵害した場合、損害賠償の責任を負います。この事例で言えば、会社は元社員の反対にもかかわらず写真を公開し続けることで、元社員に慰謝料を支払う必要が生じると考えられます。

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