「アップルストア」日本進出20年、その変貌に迫る 担当役員ディアドラ・オブライエン氏が明かす

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11月9日に表参道の直営店で行われた、バンド「WONK」の音楽家 江﨑文武氏によるiPadでの作曲ワークショップ。小学生を含むたくさんの人々が参加し作曲を楽しんだ(写真:Apple)

特に、まったく新しいスマートフォンとして2007年に登場させたiPhone発売以降、爆発的なヒットを支える原動力となった。「触った瞬間、虜になる」新しいユーザー体験を持つiPhoneに、触らせる場を用意することに成功したのだ。

現在のアップルストアは世界に500店以上、日本には銀座・渋谷・新宿・丸の内・表参道・川崎・名古屋・京都・大阪・福岡の10店舗を展開している。

20年変わらないアップルストアの価値とは?

2001年にアメリカで1号店立ち上げに携わったオブライエン氏に、当時と現在のアップルストアの違いについて聞いた。

「まずこれまで変わっていない要素は、『顧客体験にフォーカスする』ことを、アップルストアの第一の優先事項にすることです。

1店目に大きな情熱を傾けたスティーブ・ジョブズは、顧客に学びを与え、つながりを作り、提供したいサービスを顧客に伝える体験をあらゆる人に伝えていくことを、アップルストアのビジョンとしました。

アップルの創造性と革新性への情熱という、社員が日々感じている思いを、顧客にも感じてもらうことを目指す点は、今後も変わらないでしょう」

オブライエン氏はこのことを「異例の顧客体験」と呼び、現在のアップルストアが目指している体験価値のコンセプトとなっている点を強調した。

一方、アップルストアが変化している点はどこにあるのだろうか。

「現在のアップルストアに入ると、20年前とは異なる雰囲気になっています。地域に根ざした個性あるデザインが取り入れられ、非常に注意深く細部に気遣った店舗の開発に取り組んできました。

またこれまではより多くの人に製品を体験してもらうことを目指してきましたが、現在は非常にパーソナライズされた体験を提供すべく、取り組みを進めています。

顧客とつながり、顧客のことをよく学ぶことに努めているのです。そしてiPhoneであれ、Macであれ、Apple Watchであれ、その性格やライフスタイルに最も合ったものを提案したい。そうした個別化した体験が、現在の直営店の目指すところです」(オブライエン氏)

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