「アップルストア」日本進出20年、その変貌に迫る 担当役員ディアドラ・オブライエン氏が明かす

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オブライエン氏は11月29日、東京・丸の内にあるアップルストアを訪れ、iPhoneでの写真撮影のセッションに参加していた顧客や、ストアのスタッフとの交流の時間を楽しんだ。

オブライエン氏に、アップル直営店の今後の展望について訊いた。

「いよいよ、2024年から、アメリカではApple Vision Proが発売されます。まったく新しい空間コンピューティングを、来年早々から直営店でも展開できることに、とてもわくわくしています。

そのため現在、直営店の関係者は非常に忙しく取り組んでおり、これまでと同様『異例の体験』に埋没してもらう環境をご提供できるよう、努力しているところです。

直営店は、素晴らしいVision Proを、いくらでも体験できる場にしたいと考えています」

これまでアップルストアには、Macのサポートのために「ジーニアスバー」というバーカウンター型のデスクを用意してきた。iPhoneが中心になってくると、今度は樹木のまわりに中程度の高さのソファが取り囲む立ち話スタイルの「ジーニアスグローブ」が配置され、改装される店舗に取り入れられてきた。

ゴーグル型のデバイスであるVision Proの体験やサポートのためには、ソファのような施設が必要になるはずで、「ジーニアスカウチ」のような新しい要素が取り入れられるのかもしれない。

また、現在建て替え中で仮店舗に移っている銀座店についても言及があった。

2025年後半に銀座の新店舗オープン予定

「銀座の店舗の新装開店ができることを、とてもうれしく思っています。オープンは2025年後半を予定しています。銀座の中心で、また素晴らしい場を提供できることを、楽しみにしています。

アップル製品について、熱意を持って支援してくれる素晴らしい顧客がいる日本での直営店運営は、とても興奮に値するものです。今後も、顧客のニーズや顧客がいる場所に応じて、直営店・オンラインストア双方を、シームレスに連携させ、展開を続けていきます」(オブライエン氏)

坪あたりの売上高が、高級ファッションブランドショップよりも優れている、世界最強のブランド直営店が、これまで市場の変化にどのように対応してきたかが、よくわかるインタビューとなった。

異例の顧客体験と、顧客接点の取り方の変化、そして環境対策と新しい体験の提供など、オンライン化が進む中で、むしろ直営店の役割がより明確化され、ブランドの象徴的な場として、今後も位置づけられていくだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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