高級食材「トリュフ」ラーメンを食べたプロの本音 ポルチーニも…日本のラーメンに合わない理由

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「神保町黒須」の「塩蕎麦」(写真/山本益博)

いつか「トリュフ」でクロスしたい

神保町のラーメン専門店「黒須」では「塩蕎麦」に、トリュフのペーストが添えてあった。だが、主人の努力ほどの効果は得られなかった。そこで、オーストラリア産の黒トリュフが出まわる7月になったら、私がお手伝いして、「黒須のトリュフ蕎麦」を作っていただきたいと考えていたら、4月末、突然、一身上の理由で店を閉め、京都へ日本料理の修業に出かけてしまった。

「神保町黒須」のご主人・黒須太一さん(写真/山本益博)

私が、ラーメンを夢中になって食べ始めた4年前ほど、食べ終えたときに声をかけてくださったラーメン店主の1人が黒須さんだった。そのとき、彼は「山本さんと一緒にすきやばし次郎へ行くことが、ぼくの夢です」とおっしゃった。小野二郎さんは、この10月27日に98歳を迎えられたが、いまだ元気に鮨を握っていらっしゃる。ご本人は100歳まで握るとおっしゃっているので、そのとき、黒須さんと一緒に出かけましょう。

そして、いつか、黒須さんが修業を終えて、再び料理屋の看板を出すときが来たら、ぜひとも「トリュフ」でクロスしたいと心から願っています。

● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique
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