10月31日、インテルがパソコン向けのハイエンドプロセッサー「Core Ultra」を12月14日に発売すると発表した。これにはチップレットと呼ばれる先端技術が使われており、これまで競合のAMDが生成AIを駆動するクラウドコンピューター向けに搭載していたが、パソコンにはまだ使われないと考えられていた。が、インテルは満をじして、パソコン向けの高性能半導体にこの技術を使ったわけである。
増えるパソコン向けのハイエンド製品
これまでパソコン向けのハイエンド製品としては、AMDが9月に「Ryzen PRO7000」シリーズを発売。従来のパソコン用プロセッサーの2倍高性能だとうたっている。また、10月に入ると、クアルコムもアームのICコアを利用したハイエンド製品を発表。同社のクリスティアーノ・アモンCEOは、同社の従来のスマホ向け半導体と比較して2倍の性能があると述べている。
クアルコムがパソコン向けを出してきたのはなぜか。今回、クアルコムが投入した半導体はAI処理を専門に行えるAIアクセラレーターを集積している。パソコン用CPUにAI処理専用回路を集積することで、パソコンがこれまでとは一味違う機能を実現できるとみているからだ。
スマホ市場が停滞する中で、クアルコムはコンピューティングと自動車向けビジネスへと拡大・展開してきたが、今回の発表はインテルやAMDへの挑戦のように見えるかもしれない。だが、本当の狙いはNVIDIAである。インテル、AMDがベンチーマークとしているのも同社だ。
それぞれのパソコン向け半導体に共通するのは、AI機能である。チップはCPUのほかにGPUや周辺のインターフェイス回路などを集積しているのだが、これらに加えてAI専用プロセッサーを集積している。
パソコンにちょっとしたAI学習・推論機能を載せられるのは、端末側で専用AIを処理できるようになってきたからだ。
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