全方位でNVIDIAに挑戦状「インテル」逆襲は本物か ローエンドからハイエンドまでAI向けを拡充

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さらに、インテルはスーパーコンピューター用でもNVIDIAを追随しようとしている。11月はじめにスパコンの性能を評価するテストが行われ上位機種がTOP500として発表されたが、その中で性能第2位のAuroraスーパーコンピューターにインテルのXeonプロセッサーだけではなく、 Intel Data Center GPU Maxシリーズも使われていたことが明らかになった。これまでスーパーコンピューターに使われている市販のGPUはNVIDIAが圧倒的に多かった。

インテルはさらに、AIエンジンのGaudi 2を開発、この製品がNVIDIAのH100並みの性能を示した。インテルはGaudi 2アクセラレーターと第4世代のインテルXeonスケーラブル・プロセッサー、インテルAdvanced Matrix Extensions (AMX)で構成したスパコンでは、Gaudi 2は、v3.1学習GPT-3ベンチマーク上でFP8(浮動小数点8ビットの演算)データタイプを実行すると、前世代のGaudi 1と比べ2倍の性能向上を示したという。これはつまり、スパコン向けでもインテルが性能を上げてきているということだ。

NVIDIAのH100並みの性能を示したインテルのAiエンジン「Gaudi 2」(写真:インテル)

これから本格的にNVIDIAに対抗

インテルは、2022年9月に「ポンテベッキオ」というコード名のGPUを発表した後、パソコンからスパコンまで、つまりエントリーレベルからからハイエンドまでのGPUを揃えてきた。

これまでのCPUメーカーとしてのインテルが数値計算用のGPUやAI専用のICなどへ製品ポートフォリオを広げ充実させていることで、これから本格的にNVIDIAへ対抗するとみていいだろう。

AIチップの発表はここ1年くらいだが、インテルはAI研究を10年近く前から行っており、自信を見せている。インテルの攻勢はこれからギアアップすることは間違いない。

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津田 建二 国際技術ジャーナリスト

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つだ・けんじ

東京工業大学理学部応用物理学科卒業後、NEC入社。『日経エレクトロニクス』などで記者・編集者を歴任。2007年6月独立。現在、News & Chips編集長。

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