クルマ界のDyson「ボルボEX30」の超デザイン 単なるコンパクトBEVにはない所有する喜び

✎ 1〜 ✎ 68 ✎ 69 ✎ 70 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

先に少し触れたインテリアは、デザインが秀逸だ。「極力シンプルに仕上げていました」と、インテリアデザインを統括するボルボ本社のリサ・リーブス氏は、かつて私にそう語ってくれたことがある。それが今のボルボのデザイン哲学なのだそうだ。

ただし、私が秀逸だと思っているのは、「シンプルだからつまらない」となっていないことにある。たとえば、内側からドアを開けるためのオープナー。

ミニマルなデザインで美しいドアオープナーハンドル(写真:ボルボ・カージャパン)
ミニマルなデザインで美しいドアオープナーハンドル(写真:ボルボ・カージャパン)

真横から見ると1本の棒のようだが、細くてきれいなカトラリーのようなデザインで、引くときのクリック感もよく、操作が楽しい。

ダッシュボードまわりは、大型のインフォテインメントシステム用モニターがあるだけ。速度やバッテリー残量など、情報はみなここに表示される。

スピードやシフトポジションを含め、多くの表示を縦型のセンターディスプレイが担う(写真:ボルボ・カージャパン)
スピードやシフトポジションを含め、多くの表示を縦型のセンターディスプレイが担う(写真:ボルボ・カージャパン)

ドライバーの前にあるのは、「眠気に襲われていないか」「スマホを注視していないか」などドライバーの目線を終始モニターしているカメラだけと、かなり振り切ったデザインだ。

ここまで凝っていると、ライカのカメラやバング&オルフセンのオーディオ機器、ダイソンの家電など、造型力の高いプロダクトを持つのと同じ喜びを与えてくれそう。

新しい時代がすでに始まっている

リサイクル材を多用しているというインテリアは、素材の選び方も上手だ。日本仕様の中で私が特に好きな仕様は「ミスト」と名付けられていて、再生ポリエステルにウールを30%、混紡したシート地が、見た目も感触もたいへんよい。

先のブリーズとは異なる雰囲気のミストというインテリア(写真:ボルボ・カージャパン)
先のブリーズとは異なる雰囲気のミストというインテリア(写真:ボルボ・カージャパン)

12.3インチのモニターでは、Google PlayのアプリやAmazonプライム・ビデオを楽しむこともできる。

「これからのボルボ車にとって、性能向上から販売にいたるまで、すぐれたソフトウェアの開発が欠かせない」(プレスリリースの要約)とするボルボ。

今、本社のあるスウェーデン・ヨーテボリをはじめ、同ストックホルム、ポーランド、シンガポール、インド、中国……と、世界各地にソフトウェア開発施設をもつ。

EX30は単なるコンパクトなBEVではない。そこでは、新しい時代がすでに始まっているのだ。

この記事の画像を見る(33枚)
小川 フミオ モータージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事