詳細はあとで紹介するが、内装の独特なデザインもオーナーのセンスを感じさせる好ましいものだ。「わざわざEX30を選んだ」というプライドにつながるものだと思う。
発進がスムーズなBEVゆえに、交通の流れを楽々とリードできる。しかし、道に慣れていないからともたもた走っていると、バルセロナではあっという間に邪魔もの扱いされる。過去にレンタカーで何度、そんな目に遭ったことか。
EX30は、信号が青になるとまっさきにスーッと飛び出し、「次は2車線、車線変更して左折だ」なんてときも、まったく慌てることがない。
自動車専用道に入っても、トルクがたっぷりあるモーターのメリットを十分に感じさせてくれる。
「シングルモーター・エクステンデッドレンジ」は、69kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最高出力は200kW、最大トルクは343Nm。
数値からすると、そうパワフルではないが、アクセルペダルを踏んだ瞬間から最大トルクを発する電気モーターの特性のおかげで、ダッシュはするどい。
バッテリーへの負荷を抑えるため最高速度が時速180kmに制限されているが、ドイツのアウトバーンの一部区間をのぞいて、時速200km以上で巡航しようという人は、そう多くないのではないかと思われる。
ツインモーターよりシングルモーターが好印象
スポーツカーの魅力の1つは加速力という言説にしたがえば、EX30はシングルモーターといえども、心躍るようなスピード感が味わえるスポーツカーだ。ドライブして楽しい印象は、ワインディングロードに入っても変わらない。
車重は1790kg。重たいバッテリーを積むBEVのため軽くはないが、小さなカーブを駆けぬけていくときも、重さは感じない。電池が床下に入っているBEVの常として重心高が低く、路面に張り付いたような感覚で走れる。
315kWの最高出力と543Nmの最大トルクで4つのタイヤを駆動する「ツインモーター」は、たしかによりパンチのある加速力を堪能させてくれるが、シングルモーターのスムーズなドライブ感覚は、これはこれでたいへん好ましい。
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