物価の優等生・バナナに異変、価格上昇も 半世紀変化がなかった価格が動き出したワケ
日本人が最も食べている果物はバナナだ。2014年の1世帯(2人以上の世帯)当たり年間購入量は18キログラムと、2位のミカンの13キログラムを大きく引き離す(総務省統計局「家計調査年報」)。
人気の理由は「値頃感」だ。主な輸入商社などで構成される日本バナナ輸入組合が14年に実施したアンケートで、バナナを食べる理由の1位は「手頃な値段だから」が65%でトップだった。
50年前と価格は変わらず
価格はこれまで変化に乏しかった。1965年時点の1キログラム当たり平均価格は218円。自由化で輸入が急増した1972年に一時124円まで急落するが、1975年以降は180~250円の範囲を上下に推移している。
ちなみに、ミカンの価格は1965年の1キログラム当たり100円から2014年には同347円まで上昇した。卵などと並び、バナナが「物価の優等生」といわれるのもうなずける。
しかし、今後は価格の安定が崩れ、上昇に向かうかもしれない。日本に輸入されるバナナの9割以上を占めるフィリピン産の現地価格が、供給不安で上昇しているからだ。
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