BMW新アドベンチャーバイク「R1300GS」に驚嘆 10年ぶりにフルモデルチェンジした新型に試乗

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コーナリングでの抜群の安定感とライントレースの正確性はGSならでは
コーナリングでの抜群の安定感とライントレースの正確性はGSならでは(写真:BMW Motorrad)

なお、1日目は混雑した街中から高速道路、ワインディングまで350kmほどを走破したが、ほとんど疲れ知らず。メーターに表示された平均燃費もリッター20kmを超えた。走行ペースを考えるとかなり良い数値と言えるだろう。

クラストップを狙えるオフロード性能

オフロード性能を高めた「GSトロフィ」仕様。ワイヤースポークホイールとブロックタイヤ、スポーツサスペンションを装備
オフロード性能を高めた「GSトロフィ」仕様。ワイヤースポークホイールとブロックタイヤ、スポーツサスペンションを装備(写真:BMW Motorrad)

続いてオフロードでの試乗。ブロックタイヤと20mm長いストロークを持つスポーツサスペンションを装備した「GSトロフィ」に乗り換えたが、エンジンまわりの軽量化とマスの集中による動的な軽さの恩恵はオンロード以上に感じられた。常用トルクにふった瞬発力のあるエンジンは250kg近い巨体を楽々と宙に舞わせ、剛性を高めたEVOテレレバーは路面からのあらゆる衝撃をハンドルに直接伝えることなく吸収してしまう。

また、オーバートルクで後輪が滑り出したときでもスイングアーム長を伸ばしたEVOパラレバーが穏やかな姿勢変化でコントロールしてくれる。もともとGSは出力特性がリニアでマシンの挙動がわかりやすいのが特長だったが、新型ではそのメリットがさらに際立っている。

ビッグアドベンチャーならではの豪快な走り。優れたコントロール性と路面をつかむトラクション性能で本格的なオフロード走行も可能だ
ビッグアドベンチャーならではの豪快な走り。優れたコントロール性と路面をつかむトラクション性能で本格的なオフロード走行も可能だ(写真:BMW Motorrad)

軽量化と重量バランス、ディメンションの最適化による相乗効果のおかげだろうか、普段なら臆してしまうような荒れたガレ場や急こう配のヒルクライムも自信を持って挑んでいけるのだ。ひと言でまとめるなら“自在感”が素晴らしい。今まで数多のビッグアドベンチャーモデルに試乗してきたが、オフロード性能の高さは同カテゴリーでもトップレベルと感じた。

最新デバイスも満載、ロングライドも快適

R1300GSの走行イメージ
R1300GSの走行イメージ(写真:BMW Motorrad)

新たに搭載された最新デバイスも試してみた。ACCはとてもスムーズかつ正確に前車を追従しつつ、SWW(レーン・チェンジ・ワーニング)は後方から近づく車両を確実にとらえてバックミラー内のインジケーターで知らせてくれた。

なかでも効果絶大だったのが自動車高調整機能。車速が15km/h以下になると自動的にサスペンションが沈んでシート高を30mmほど下げてくれるシステムだ。スムーズすぎて本人には気付かないほどだが確実に足着きの不安を解消してくれる。これは車高の高いアドベンチャーバイクでは大きなメリットになるはずだ。R1300GSはまさにペースセッターを名乗るに相応しい実力を見せつけてくれた。「NEXT LEVEL GS」のコンセプトどおり、GSの新時代を告げるマシンである。

なお今回試乗したのは欧州仕様でタイプ設定などは仕向け地により異なる。先日発表された日本導入モデルの価格は284万3000円~(消費税込み)となっている。

佐川健太郎 モーターサイクルジャーナリスト

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さがわけんたろう / Kentaro Sagawa

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。2輪イベントの司会、PVモデル&テストライダー、2輪メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース エキスパート」オーサー。元MFJ公認インストラクター。日本交通心理学会員。二輪車安全運転指導員。

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