BMW新アドベンチャーバイク「R1300GS」に驚嘆 10年ぶりにフルモデルチェンジした新型に試乗

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R1300GSの国際メディア試乗会がスペインで開催。テストライドに先立ちBMWの開発陣から技術説明が行われた
R1300GSの国際メディア試乗会がスペインで開催。テストライドに先立ちBMWの開発陣から技術説明が行われた(写真:BMW Motorrad)

BMW Motorradジャパン、シニア・マーケティングマネージャーの中根知彦氏は語る。「誕生以来43年の歴史を持つGSは今日にいたるまで、自らが作り出したセグメントのリーダーであり続けてきました。その意味でPacesetter(ペースセッター)という言葉でGSを表現しています」。事実、ビジネス面においてもGSシリーズは世界中でBMWモトラッドの大黒柱(台数と収益の両方)になっているという。ちなみに2022年の世界年間販売台数はGSシリーズ合計で約6万台と同カテゴリーでも圧倒的な実績を誇っている。

今ある2輪の先進テクノロジーを全部盛り

R1300GSのスタンダード仕様。試乗車は欧州仕様で電動スクリーンや自動車高調整システムなどの追加オプションを装備
R1300GSのスタンダード仕様。試乗車は欧州仕様で電動スクリーンや自動車高調整システムなどの追加オプションを装備(写真:BMW Motorrad)

前置きが長くなったが、今回登場したR1300GSは、2013年に水冷ボクサーエンジンが投入されて以来、10年ぶりのフルモデルチェンジとなる。開発コンセプトはずばり「NEXT LEVEL GS」、目指したのは次世代のGSである。

エンジン下にミッションを配置した2階建て構造により前後長を詰めてコンパクト化。エンジン単体で3.9kg、パワートレーンも含めて10.4kgも軽量化された
エンジン下にミッションを配置した2階建て構造により前後長を詰めてコンパクト化。エンジン単体で3.9kg、パワートレーンも含めて10.4kgも軽量化された(写真:BMW Motorrad)
車体の進行方向にクランク軸を配置した水平対向2気筒エンジンは、BMWモトラッド誕生以来の伝統的レイアウト。ドライブシャフトを介して後輪に動力を伝える4輪的な構造だ
車体の進行方向にクランク軸を配置した水平対向2気筒エンジンは、BMWモトラッド誕生以来の伝統的レイアウト。ドライブシャフトを介して後輪に動力を伝える4輪的な構造だ(写真:BMW Motorrad)

伝統の水平対向エンジンは完全水冷化とともにクランク下にギアボックスを配置したコンパクト設計となり、排気量は逆に1300ccへと拡大。改良されたシフトカム(吸気可変バルブ)により最高出力9psアップの145ps/7750rpmへと向上。最大トルクも149Nm/6500rpmへと上乗せされた。

車体も一新し、フレームは構造と材質を見直した完全新設計に。足まわりも強化され、BMW独自の構造を持つ前後サスペンション(テレレバー/パラレバー)もEVOタイプとなり、ブレーキも前後が互いに連動するフルインテグラルタイプが新たに採用された。こうした重装備にもかかわらず、車重は主にエンジンと駆動系の軽量化によってトータルで12kgも軽くなっている。「軽さこそ正義」と言われる2輪でこの数値は大きな意味を持つ。

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