BMW新アドベンチャーバイク「R1300GS」に驚嘆 10年ぶりにフルモデルチェンジした新型に試乗
また今回、レーダーアシスタンスシステムが新たに搭載されたこともトピックだろう。前車との距離を自動的に最適化するACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)やレーンチェンジ警告、衝突低減ブレーキなど、BMWが4輪で培ってきた安全装備を惜しげもなく投入。さらに停止時に自動的に車高を下げる機能も初採用するなど、まさに現在の2輪における先進テクノロジーをすべて詰め込んだ仕様となっている。
【試乗インプレッション】
安定感はそのまま、より力強く軽快に
X型のヘッドライトは好みが分かれると思うが、無骨だった車体は軽快でスマートな印象になった。BMW伝統のフラットツインは出力特性もフラットなのが特徴だが、新型はよりトルクフルかつ回転もスムーズに、スロットルレスポンスも鋭くなった。回転数によって吸気バルブのリフト量とタイミングが切り替わるシフトカムも改良されて、スロットルを開けたときの加速感もさらにアップ。排気音もより官能的なサウンドになった。
最初に試乗したのはスタンダード仕様。ライディングポジションはひとまわりコンパクトに。タンクもヒザがあたる部分はスリムでホールドしやすくマシンとの一体感がある。シート形状も前後の自由度が増えてより積極的に操れるようになった。また、シート高は850mmと従来と変わらず、このクラスとしては標準レベルと言える。
シリンダーが左右に突き出たフラットツインの特徴として、従来型はコーナーで車体を倒し込むときなどにエンジンの重量を感じやすかったが、新型ではそれがなくなり抜群の安定感をキープしたままフットワークが軽快になった。
テレレバー独特の路面にタイヤが張り付くような接地感や、狙ったラインをトレースしていく正確性も健在。フロントからスパッと曲がっていく旋回力はオンロードスポーツ並みだ。ブレーキングではフロントにしっかりとした剛性感があり、ABSが効くまでガッツリ握ってもフロントの沈み込みは最小限。それでいてサスペンションは独立して路面の凹凸を吸収してくれるので安心してコーナーへ飛び込んでいける。
とくに新型は前後連動のフルインテグラルタイプなので、レバー操作だけでもリアブレーキ併用による安定感が得られるのが素晴らしい。もちろん、ライドモードと連動したABSとトラコン(トラクションコントロール)もフルサポートしてくれるので、朝露に濡れた滑りやすい現地のアスファルトを含め、どんな路面でも安心してライディングを楽しめた。
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