販売台数も期待外れ「EV市場」に広がる不安の正体 早くも過当競争に突入、大投資は大丈夫か?
ここ数年、各メーカーは郊外の裕福な家族層をターゲットにしたSUVを次々と市場投入。中間層にも手が届く、3万ドル(約455万円)以下の車種はまだ少ない。
EVの購入を検討している消費者にとっては、運転中すぐに充電できる場所が十分にないことも懸念要素になっているようだ。価格に次いで充電インフラがEV購入を検討する際の懸念事項になっていると、多くの調査は結論づけている。
インフラ未整備の集合住宅は少なくない
集合住宅に住んでいるなど、自宅に充電器を設置できないユーザー(若い世代が多い)にとっては、公共の充電インフラが不可欠だ。
「若い世代は上の世代よりもEVに対してオープンだが、若い世代は集合住宅に住んでいることが多い」と前出のコクラン氏は指摘する。「インフラが整備されていないという事実が障壁になっている」のだ。
少なくともコクラン氏の顧客のうちの2人が、EV購入後、自宅近くに十分な数の充電器がないことがわかり、車を返品したという。
自動車メーカーが受け取っているのは、EVを売るのはガソリン車を売るのとは違う、というメッセージだ。「充電は今も、解決しなければならない重大課題として残っている」。北米メルセデスで高出力充電部門を統括するアンドリュー・コーネリアCEOはそう言った。
(執筆:Jack Ewing記者)
(C)2023 The New York Times
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