11月5日には、岩手県交通が運行する「水沢・金ヶ崎・北上~仙台線」が廃止となったが、この路線は今年5月に運行を開始したばかりの新路線だった。わずか半年間で幕を閉じたことになる。
2020年4月から運休していた、JR四国バスの夜行高速バス「北陸ドリーム四国号」も、今年11月に路線廃止となった。高知・高松・徳島と福井・金沢・富山を神戸淡路鳴門自動車道経由で12時間以上をかけて結ぶ貴重な路線だったが、こちらも人手不足を理由として姿を完全に消すことになった。
JR四国バスのプレスリリースには、はっきりと「乗務員不足等により」と廃止理由が明示されている。
岡山県では、両備バスによる岡山~津山間の「岡山エクスプレス津山号」が10月末で廃止になった。10年前から運行されていた路線だが、「ご利用状況の低迷等諸般の事情により」(両備バスのHPより)運行が終了している。
以上は、この秋の運休・廃止状況だが、今年前半にも目を向けると、鳥取~福岡の「大山号」(日本交通・日ノ丸自動車)が1月8日に、北九州~大分・別府の「ゆのくに号」(西鉄バス)が3月31日に、東京・新宿~広島の「ニューブリーズ号」(小田急ハイウェイバス/中国JRバス)が同じく3月31日にそれぞれ運行を取りやめているし、「神戸~湯村温泉」「東京~富士・富士宮」などの路線が運休となっている(なお、後者は7月に減便して一部再開)。
また11月10日には、長野県の二大都市、長野~松本を結ぶ高速バスが2024年3月をもって廃止されることも発表された。
「鉄道の代替はバスで」が難しくなっている現実
現在、日本の各地、とりわけ地方ではJRを中心に深刻な鉄道の赤字路線が増加し、維持が困難だと思われる路線が次々とクローズアップされている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら