住友化学の最悪決算招いた経団連会長の経営判断 外部要因への耐性低く複数事業が同時に炎上

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そして健康・農業関連事業。前年上期の363億円の黒字から今上期は想定外の76億円の赤字と落ち込み、通期予想は従来の620億円から400億円へと引き下げた(前期実績は573億円)。

農薬は前年度に南米で出荷が多かった反動で流通在庫が増え、今上期に在庫の削減を実施した一時的な影響があった。下期は好転する見通し。問題は鶏飼料添加物のメチオニンだ。エネルギーコストが高止まりする中、中国企業の生産能力増強による供給過剰が解消せずに市況低迷が続き、大不振にあえぐ。

この状況を受けて住友化学は、上期にメチオニンの製造設備で146億円の減損損失を計上した(事業ごとの損益とは別の非計上項目に参入)。

過去の経営判断の妥当性が問われる

主要事業が同時多発的に炎上しているのは“運が悪かった”のかもしれない。だが、各事業を子細に見ると、過去の経営判断の妥当性が問われる。

象徴的なのがラービグである。もともと岩田社長の2代前の社長で、これまた経団連会長を歴任した米倉弘昌氏が肝いりで始めた事業だ。中国に石化製品のコスト競争力で対抗し、かつ海外事業に成長への活路を求めるために、サウジアラビアの国営企業のサウジ・アラムコと37.5%ずつ出資して2005年に合弁会社を設立、2009年に操業を開始した。

大きな構図を描いて出発したラービグだったが、当初からトラブル続きで思うような利益を出せなかった。

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