日経平均の年末高と2024年新春高が見えてきた 「アメリカ市場の波乱」には引き続き要注意
さらに、チャートをゾーンで見たとき、日経平均は3万1500~3万0500円の「おりの中」に閉じ込められ、兜町筋では、このおりも下に破られるのではないかと気をもんでいた。だが結果は、逆に上値を1000円以上も突き抜けて、11月10日のシカゴ日経平均先物は3万2830円で終了。7月3日の年初来高値3万3753円抜けまで、あと1000円弱となっている。
業績相場への期待感が再点灯、外国人買いも
つい先日までは米国株市場への期待感が消失し、日本株市場においても、1ドル=150円の円安で高まると言われていた「業績相場」がなかなか出てこなかった。だが、ナスダック総合指数は9連騰となり、2068円と低迷していた日経平均の予想EPS(予想1株当たり純利益)も2217円となった。今年の最高値を記録したことで、「業績相場」への期待感も再び点灯した。
今のところ、為替は1ドル=151円台になっても介入の手は出ていない。「実はこの30年間で世界から出遅れた日本が、生産の国内回帰をもくろむ起死回生の策ではないか」との兜町らしい見方も、荒唐無稽とは言えない様相を示している。
需給面を見ると、11月第1週の財務省ベースで見た外国人投資家の動向は3135億円の買い越しだった。これで買い越しは6週連続だ。先物手口に左右されないと言われる同省ベースのこの数字で見る限り、外国人投資家の日本株買いは本物だと思われる。
一方、取引所ベースの外国人投資家も11月第1週は576億円と、2週連続買い越しだった。しかも、目立ったのは11月1週515億円、10月最終週1117億円と買い越した事業法人(自己株買い)だ。
結局、事業法人の年初から10月までの累計は5兆8613億円の買い越しとなり、昨年10月時点の6兆0168億円(過去最高)に迫っている。買われた自己株は、消却されればもちろん、もし金庫株となってもほとんど市場には戻ってこない。
さらに10月のマネーストックM3(現金、銀行などの預金)の平残は1590兆2000億円と、最高水準の1590兆円台を今年5月から保っている。日本市場における「株対金(カネ)」のバランスは、引き続き資金超過だ。
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