「残業拒否だが仕事熱心」若手社員の新しい理想像 若い合理的な野心家が日本企業を変革する

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「当社でもジョブ型を導入しており、『この仕事しかやりたくない』というスペシャリスト志向の新人がいます。一方、以前と比べて、キャリアを長期的な視点から幅広く考える若手が増えている印象です。二極分化というところでしょうか」(サービス)

「なんでも挑戦して、大きく成長したい、という意欲的な若手が結構多いですよ。もちろん全員ではありませんが。いろいろと経験して2~3年したら転職するかも、と言われるとガクッときますがね(笑)」(通信)

キャリア論に、計画的偶発性理論(Planned Happencetance Theory)という、若手にとって有用な考え方があります。個人のキャリアの8割は予期せぬ偶発的なことによって決定されるので、偶然の機会を計画的に作り出し、キャリアを発展させていこうというものです。

いろいろなことに積極的に挑戦しようという(一部の)新人・若手の考え方は、この計画的偶発性理論に則っており、有意義なキャリアを形成することが期待できそうです。

プライベート優先だが熱意と志がある

ところで、いまの若い世代は、仕事よりもプライベートを優先すると言われます。「仕事に対して熱意や志を持っていないのではないか?」という疑問を人事部門関係者にぶつけてみましたが、否定的な意見が多く聞かれました。

「行動面を見ると、たしかにプライベート優先です。ただ、そういう新人・若手が目標や志を持っていないかというと、そんなことはありません。仕事を通して成長したい、仕事で何か自己実現したいという欲求は、むしろ以前より強まっている印象です」(精密)

「残業拒否だとか面白おかしく言われていますが、最近の若手はプライベートも仕事も充実させようということで、仕事ぶりは熱心ですよ。逆に仕事が熱心でない若手は、プライベートでもダラダラと酒を飲むだけで、あまり充実していません」(薬品)

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