「残業拒否だが仕事熱心」若手社員の新しい理想像 若い合理的な野心家が日本企業を変革する

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会社であったことがSNSで即座に共有される時代。最近の新人・若手は、つまらないことで先輩社員の笑いの種にされないように、しっかり情報収集し、対処しているようです。

一方、冒頭の例のように、キャリア意識については、「大きく変わったし、変わり続けている」(エネルギー)、「我々の時代とは違うと頭ではわかっていても、驚きの連続です」(輸送機)という声が聞かれました。

「当社でも、入社して間もない頃から転職を考えている新人が目立ちます。仕事に馴染めないという人はもちろん、仕事が順調で楽しそうにしている人もです。後者については、いったい何を考えているのか、ちょっと理解に苦しみます」(IT)

「こういう部署で働いてこういう仕事をしてみたい、と明確にしています。しかも、イメージ先行でなく、職場や仕事のことをちゃんと調べていて、かなり現実的なプランを描いています。驚くほどしっかりキャリアを考えていますね」(電機)

近視眼的なキャリアビジョンではない

不透明な時代に、新人・若手が自身のキャリアを会社任せにせず、自律的に切り開いていくのは大切なこと。ただ、新人・若手が限られた業務経験・情報の中でキャリアを検討すると、キャリアを近視眼的に捉えて、将来大きく成長する可能性を摘んでしまうかもしれません。

大学時代に会計学の授業を取り、簿記3級を取得した。入社して経理課に配属され、1年間、決算業務を担当してスキルアップした。将来は、この会計分野の強みを生かして会計のスペシャリストとして活躍したい……。

近年、ジョブ型で入社後の担当職務を決めて採用する会社が増えていることもあって、「こうした近視眼的なキャリアビジョンを持つ新人・若手が増えているのではないでしょうか?」という筆者の疑問に対し、人事部門関係者の答えは「Yes and No」でした。

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