「勉強できない子は机でわかる」東大生断言のワケ 人間は怠ける生き物、だからこそ環境作りが大事
がっちゃん:動画で英語を扱うようになって、私の知識をわかりやすく使えることを重視してきました。それと同時に、私の中にわいてきたのは「私の動画で視聴者が勉強しているのだから、私もそれに負けないくらい勉強しよう」という気持ち。ただ単にわかりやすく伝えるだけではなく、どこがわからないのか、英語のどんなところに苦手意識を持っているのか、そういうポイントを分析するようになっていきました。
西岡:なるほど。世間の人から見るとがっちゃんさんは「英語が得意なYouTuber」ということになると思うんです。でも、今までの話を聞くと「英語が得意ではなかったけど、だんだんと得意になっていったYouTuber」というほうが近いのかもしれない。
がっちゃん:それはあると思います。対談の前編でもお話ししましたが、10代の頃の私は韓国語も日本語も英語も苦手。2カ国語、3カ国語の話者のことをバイリンガル、トリリンガルと呼びますが、言わば私はゼロカ国語の話者、ゼロリンガルでした。
でも、私自身が英語を苦手にしていたからこそ、みんなが英語学習でどんなことに悩んでいるのか、気づける部分も多いのだと思います。
西岡:受験において“結果を出す”というのは、もちろん志望大学に合格すること。そのためには人から学ぶモチベーションが大事、みたいな話になりがちです。だけど、今のがっちゃんさんのお話を聞いていると、逆説的ですが「人に教えるモチベーション」によって自分も相手もお互いに学んで結果を出していく、人に教えることこそが自分の学びになる、という感じがしますね。
苦手意識をバネにして結果を出す
がっちゃん:英語が苦手だった私が英語を教えているのは、なんだか不思議だなと思ったりもします。
生まれながらにしてエリートと呼ばれるような有能な人たちによって社会が変わっていく、というのはある種の事実ですよね。だけど私のような、元々は何か苦手があって、でも頑張って身につけていって、という人たちが世の中を一変させることもある。そういうポジティブな気持ちは私自身も忘れたくないし、英語に苦手意識を持っている人たちにも忘れてほしくないです。
西岡:まさに、僕もそんなことを思いながら『ドラゴン桜』という作品に携わってきました。僕自身もそうですけど、偏差値35から東大に逆転合格みたいなことって、苦手意識やコンプレックス、あるいは悔しさ、そういうものをバネにしたときに成し遂げられることなのかもしれない。そんな実感が確かにあります。
がっちゃん:英語の習得と東大合格という違いはありますが、苦手意識をバネにすることで結果を出すことができた、というのは私たちに共通しているところかもしれませんね。