マンションなのに「断熱リフォーム」増加の背景 「資産価値向上」を目指し改修する例もある

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またせっかく細則を定めても、ルールに沿った申請がなされ、その通りに工事が行われているかどうかは別問題と言っていい。加えて工事の過程やルールが守られて完了したかどうかの確認については、おろそかになってしまっている。

管理会社に業務を委託しているマンションであっても、個別のリフォームに関しての内容の検証はほとんど行われない。管理会社にとっては、専有部のリフォーム工事は業務範囲外となるからだ。

適切な工事が完了しているか

リフォームトラブルを防ぐためには、適切に工事が計画されて、その通り施工されたかどうかを、あらためて確認するよう心がけたい。ホームインスペクターなど第三者の目線で確認してもらうのも一案だ。例えば最近増えてきたタワーマンションにしても、柱や梁の構造が一般的なマンションと異なり注意が必要なこともあるため、知識や実績が豊富な業者による施工が求められる。

また一見すると問題のないレンジフードのダクトが火災を予防する機能を果たしていないとして条例違反との指摘を受けるなど設計や工事のクオリティに難が生じるケースも少なからず報告されている。

自分たちのマンションの管理規約を確認し、チェックはどう行われているのかを理事会や管理会社に尋ね、しっかりと確認し、工事のクオリティに目を光らせる必要がある。

これからリフォームが行われる予定のマンション管理組合の皆さんには、あらためて細則を見直すことがルールに準じた適切な工事へつながり、ひいてはマンション全体の価値を高めるうえで重要だとお伝えしておく。

長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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